早いところではもう梅雨も明けて夏本番!
今年は数年ぶりに夏休みの旅行を計画しているというご家族も多いのではないでしょうか。
楽しいイベントもいっぱいの夏ですが、夏ゆえの“リスク”もあります。
そのひとつが「熱中症」。
・毎年“熱中症”で救急搬送される高齢者が多数、その理由は?
毎年夏になると、救急搬送される高齢者のニュースが流れてきます。自宅のエアコンも設置された室内にいても、つけずに熱中症になってしまう高齢者がとても多いそうです。
環境省の公式サイトに掲載されている資料によると、東京都23区における熱中症志望者の約8割が65歳以上で、屋内で亡くなった方のうち約9割がエアコンを使用していなかったのだとか。
その背景には、加齢によって暑さに対する身体のセンサーが低下していることがあります。
30度超えの真夏日でも「暑い」と感じなくなってしまい、さらには汗もかきにくく、身体の熱を放出しにくくなってしまうのです。
「暑くもなく、汗もかかないなんてうらやましい」
一瞬そう思ってしまいますが、どちらも身体を守るためには必要な機能です。
特に一人暮らしの高齢者の場合、脱水症状になって動けなくなっても、それに気付いてくれる人がいません。そのまま長時間が経過すれば、最悪の事態になってしまうこともあるでしょう。
・離れて暮らす親の「見守り」
その事態を防ぐためには、高齢の親が熱中症にならないよう家族が気を付けるとともに、万が一熱中症で身動きができなくなった場合には、その状況になるべく早く誰かが気付いて、救急車を呼ぶなど必要な対応を行えるようにすることです。
でも離れて暮らしていると、そのどちらも結構難しいものです。
だって親本人が「暑い」と思っていないんですもん。
電話でいくら「エアコンをちゃんとつけてよ」「熱中症にならないで」と繰り返しても、本人はきっと忘れちゃいます。
他にも「見守り」が必要な場面はたくさんあります。
例えば「転倒」「骨折」。年齢とともに筋力が落ち、歩いていても十分に足を上げられなくなると、家の中のちょっとした段差でもつまづきがちです。
そして反射神経も落ちているので、身体を家具や床に思い切り打ち付けてしまい、時に骨折してしまうこともあります。
危険なのは激しい転倒だけじゃありません。骨自体がもろくなっていると、尻もち程度でも背骨を圧迫骨折してしまうことがあるんだそうです。実際、私の母親がそうでした。
レントゲン写真を見せてもらったら、本来四角形のはずの背骨のいくつかが、変形して三角形になっていました。
同居家族がいれば、すぐに手を貸して起こし、必要なら病院に連れて行ってくれるでしょう。
でも一人暮らしだったら、自力で起き上がれない可能性もあります。
また夫婦ふたりのうち片方が入院していたり、寝たきりだったり、あるいは認知症を発症して判断力が大幅に落ちていれば、やはり同様に必要な手助けが得られないまま時間だけが経過してしまいます。
脳梗塞などの脳血管疾患も、発症したら1分でも1秒でも早く病院で治療を開始する必要があります。
早期治療ができれば、人によってはフルマラソンに参加するほど回復するケースもありますし、逆にそのまま下半身まひなどで寝たきり生活に突入してしまうこともあります。
「ちゃんとマメに電話したり帰省して、親を見守ろう」
そう思っても、仕事や育児のかたわら親の見守りも行うのは結構大変です。
電話だけではなかなか状況がわからないことも多いですし、電話してもなかなか親が出てくれないと、何かあったのではとずっとハラハラしっぱなしに。
認知症の初期症状が始まれば生活リスクも一気に高まり、不安感も強くなってしまうものです。
・ITを活用することで「親の遠隔見守り」はずっと楽で確実になる
・・・とここまで暗くなるようなことばかり書いてしまい、ごめんなさい。
でも本当に伝えたい大事なことはここからなんです。
もしあなたが、離れて暮らす親の見守りや介護をすることになったら、「ITの活用」を忘れずに検討してほしいのです。
インターネットは、今や日常生活のあらゆる場面で欠かせない存在となっていますが、それは親の見守りや介護でも一緒。
「IT」を上手に使えば、さまざまな課題を解決し、家族の負担や不安を減らすことができます。
さらに身体が思うように動かなくなり、もの忘れも増えストレスをため込みがちな親本人の不自由さ・不便さも、多少なりとも解消することもできるんです。
「うちの親はもう80代で、今更インターネットは難しいのでは」
そう思うかもしれませんが、今や時代はAI。
パソコンやスマホを操作できなくても、「スマートスピーカー」「スマートディスプレイ」といった機器を導入すれば、声だけでさまざまな情報をインターネットから引き出せるのです。
そして「スマートリモコン」「人感センサー」などを導入すれば、離れた場所からでもスマホで親の安否確認や、熱中症予防のためのエアコン操作もできるのです。
・スマホアプリで無理なく親の安否確認ができる
・親の見守りとともに“実家の防犯”もできる
・親が認知症になってもAIにサポートしてもらえる
こうした目的に使えるIT製品やサービスを、ここでは「見守りテック」と呼びたいと思います。
どんな見守りテックがあり、どんな課題を解決してくれるのか。またそれらの具体的な活用方法や導入時の注意事項などを、初めての人にもわかりやすくご紹介してゆく予定です。