「スマートリモコン」で実家の親の暮らしを快適に。
夏の熱中症問題を解決しよう。

新緑まばゆい5月ですが、早くも全国各地で「夏日」が続出。それどころか4月中旬には、新潟や東北で30度超えの「真夏日」も発生しました。
身体がまだ暑さに慣れていない時期の高温は、とりわけ高齢者にはこたえます。

水分補給やエアコンの利用など熱中症予防が必要なのですが、一人暮らしの高齢者だとなかなか難しいところ。
離れて暮らす家族が「暑くなるからエアコンをつけてね」と電話で言っても、実は加齢で「暑さ」を感じにくくなっていたりするからです。

そこでおススメなのが「スマートリモコン」
これ、私がお手伝いして実家に導入した人の多くが「もっと早くに知っておくべきだった」「こんな安価で親の熱中症問題が解決しちゃうなんて」と驚いている優れものです。

今回はそんなスマートリモコンの活用法をご紹介します。

1.家電をネット経由で操作できる「すごいリモコン」

「リモコン」というと、長細いボディにボタンがいくつもついたものを想像すると思いますが、「スマートリモコン」は、ケーブル以外何もついていない、のっぺりした箱状のものがほとんど。

これで一体どうやって家電製品を操作するの?と不思議に思うかもしれませんが、実はスマホアプリとセットで使うものなのです。

こちらが「SwitchBot」というスマートホーム製品メーカーのアプリ画面です。

右側のエアコン操作画面で、ONと書かれたボタンをタップすると、スマートリモコン本体にその指示が伝えられます。そしてスマートリモコンから赤外線信号が発信され、エアコンが稼働開始するという仕組みです。

スマートリモコンはWi-Fi経由でインターネットに接続されていて、同じ部屋にいない場合には、スマホアプリからスマートリモコンへの指示はインターネット経由で伝えられます。
なので、遠く離れた場所からでも実家のエアコンを操作できるのです。

スマホアプリには、「毎朝○時に暖房をつける」「室温がXX度を超えたら冷房を入れる」などの自動化機能もあります(室温連動にはスマート温湿度計などが必要)。
またAmazonやGoogleから発売されているスマートスピーカーと連携させると、「OK Google、エアコンをつけて」など声で言うだけで家電操作が可能に。

まとめると・・・

・純正リモコンと同じようにスマホアプリで家電製品を操作できる
・離れた場所から実家のエアコンをつけることができる
・タイマーや室温に応じて自動でエアコンをつける設定も
・スマートスピーカとの連携で音声操作も可能になる

最新の高機能なエアコンやテレビに買い替えなくても、スマートリモコンを組み合わせることで、こんな便利な使い方ができるようになるんです。

2.ネットで買える人気のスマートリモコンいろいろ

スマートリモコンは複数のメーカーから発売されています。
人気の高いものを3つご紹介しましょう。

●SwitchBotハブミニ
https://www.amazon.co.jp/dp/B07TTH5TMW

5000円前後と手頃な価格で購入でき、一緒に使える製品ラインナップも充実していて人気です。
この製品には温湿度計機能がついていませんが、組み合わせて使えるスマート温湿度計が1000円台とこちらもお手頃価格(2024年4月時点のAmazon価格/以下同じ)。
https://www.amazon.co.jp/dp/B07L4QNZVF/
最新モデル「SwitchBotハブ2」なら、温湿度計機能が内蔵されています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BM8VS13P/

●Nature Remo 3
https://www.amazon.co.jp/dp/B08BLSLWH4

こちらも愛用者が多いスマートリモコンです。温湿度計の他人感センサーも搭載していますので、部屋に誰もいなくなって一定時間が経ったら自動的にエアコンを消すという設定もできます。
シンプルな機能の「Nature Remo nano」などもあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C6V1CJB7

●アイリスオーヤマ スマートリモコン
https://www.amazon.co.jp/dp/B091PWYK7W

アイリスオーヤマからも発売されています。アイリスオーヤマ製品だけでなく、様々なメーカーのエアコンやテレビ、照明機器の赤外線リモコン替わりになり、スマホからの遠隔操作やタイマー稼働の設定ができます。


基本的には、1部屋に1台の設置が必要となります。
というのも、スマートリモコンと家電製品の間は赤外線通信で、距離が離れてしまうと信号が届かないからです。
なので、リビングと寝室のエアコンを両方遠隔操作できるようにしたいという場合には、2台のスマートリモコンが必要となります。またスマホアプリは、それぞれのメーカーのものを使う必要があるので、1つのアプリで操作できるようメーカーを揃えたほうが楽だと思います。

3.初期設定&エアコンやテレビなどの登録

使い方は簡単です。

「SwitchBotハブミニ」であれば、まず本体をUSBケーブルで電源に接続します。
その状態でスマホに専用アプリを入れ、「デバイスを追加」をタップします。
そうすると、追加する製品の候補として自動的に「ハブミニ」が表示されるので、後はスマホの指示にしたがって登録作業をしていくだけ。

次に家電製品の登録です。
こちらも、アプリ指示にしたがって、製品のカテゴリを選択したり、純正のリモコンのボタンを押すことで、該当するメーカー・製品リモコンが登録され、アプリから操作ができるようになります。

登録できるのはエアコンだけではありません。
たとえば・・・

・テレビ
・扇風機
・加湿器・空気清浄機
・天井照明・間接照明
・オーディオ機器

などなど。

私の親は、長年使ってきたテレビのリモコン操作に戸惑うことが増えてしまいました。
衛星放送のアンテナはないのにうっかり「衛星」のボタンを押して、地上波に戻せずテレビが映らなくなったことも多々ありました。

スマートリモコンを導入することで、帰省しなくても遠隔でテレビをまたつけられるようにすることができ、本当に便利になりました。

4.スマホアプリからの遠隔操作でエアコンをON/OFF

冒頭でも書きましたが、「高齢者の熱中症防止」に、このスマートリモコンが絶大な効果を発揮します。

いくら周囲がエアコンをつけるよう言っても、本人がそもそも暑さを感じていなければ、なかなかつけてはもらえません。つけたかどうかを忘れてしまっているということもあると思います。

そんな時には、事前に「28度超えた時には、熱中症になるといけないから私の方でエアコンをつけるよ」と伝えておき、遠隔操作をするのです。

スマート温湿度計があれば、離れた場所からでも室温がわかりますので、「28度を超えたらスマホアプリで通知」する設定にしておけば安心です。

5.自動化設定しておけば暑い日に自動でエアコンをつけてくれる

さらに猛暑が続く時期には、自動化設定しておけばより安全です。

こちらも難しい設定ではありません。
SwitchBotアプリの場合にはこんな画面です。

スマートリモコンが活躍してくれるのは、夏だけではありません。
冬の寒い時期であれば、親が起きる少し前に暖房が稼働開始するよう自動設定しておくのです。

そうすれば早朝、部屋が温まるまで寒さに耐える必要もなくなりますし、身体がこわばわって転倒してしまうリスクも減らせるでしょう。

6.スマートスピーカーと連携させれば声での操作も

AmazonやGoogleなどから発売されているスマートスピーカーと連携させると、声だけでテレビやエアコンをつけたり消したりできます。

「OK Google、テレビをつけて」
「アレクサ、エアコンを消して」

こんな具合です。

高齢の親に聞いたら「そんなの必要ない、リモコン使えばいいんだから」と言われてしまうかもしれません。確かにそうなのですが、実際に声だけで家電製品を操作できる体験をすると、その便利さに手放せなくなる人も多いのです。

例えば新聞を読みながら「テレビを消したい」と思えば、指一本動かさず声に出すだけ。
リモコンがちょっと離れた場所にあっても、立ち上がって取りに行く必要はありません。
趣味の編み物をしながら、「少し寒くなってきたわ」と思ったら声で「アレクサ、エアコンをつけて」と言うだけでエアコンから暖かい風が吹き始めるのです。

認知症になると、ボタンがたくさんついているリモコン操作が苦手になってしまう人がいるそうです。そんな高齢者のための、ボタンの数を最小限にした汎用リモコンまで販売しているほどです。

でも声だけ操作なら、意外とスムーズにいきます。
心配なのは「OK Google」「アレクサ」など、冒頭につけなくてはいけない「ウエイクワード(起動語)」ですが、これも覚えてもらう必要はなく、紙や養生テープなどにマジックで書いてすぐ目に入る場所に貼り付けておけばいいでしょう。

これは、私が実家の母がいつも座っているテーブルの上に貼ったものです。
スマートリモコンとスマートスピーカーを同時に導入し、声だけでテレビもエアコンも、そして照明やカーテン開閉までできるようにしました。

最初は「別に要らないわよ」と言っていた母ですが、使い始めたらすぐに慣れ、旅行先のホテルでまでうっかり「OK Google、エアコンをつけて」と言ってしまうほどでした。
それまで毎日のように電話で「エアコンを必ずつけてよ」と口うるさく言っていたのですが、それもなくなりました。28度を超えれば自動でつくので、暑い日にやきもきすることもなくなり、本当に気分が楽になったものです。

2024年は梅雨が少し長くなり、その後は平年を上まわる暑さとなる見通しだそうです。
本格的な暑さが到来する前に、ぜひスマートリモコンで実家のエアコン環境を進化させてみてください。