きょうだいは同志?邪魔者?
– 親の介護が始まった時 –


3つ年上のアネがいます。
アネは京都にいて、私は山口。実家は横浜だから、2人とも両親が住む家からは遠いところにいます。

日頃から頻繁に連絡を取り合うわけではないけど、別に仲が悪いわけではない。
「生き延びる地震入門」(幻冬舎2011年)という本も、共著で出しました。
アネは地震学者で、大学の教授です。

アネと私の共通点は、性格がサバサバしていて論理的なところ。ゴニョゴニョ言わないのです。多分これは2人とも理系だからかもしれない。

ただしちょっと機械的なところもあります。アネのメール(LINEを含む)は要件のみでとにかく短く、返信が早いのです。
テニスで言うなら、今打ち返したボールをネット際ノーバウンドのボレーで自分のコートに返された感じ。普通の人だったら「え?怒ってる?」とおびえると思う。

でもそのアネのサバサバした性格のおかげで、とても助かっています。

いざ親の介護が始まった時、彼女は仕事で京都をホイホイと出ることはできないので、時間の融通がきく私が必然的に「キーパーソン」(介護関係者の窓口)となりました。
それをわきまえているので、私のやることにいっさい文句を言わない。でも相談には随時のってくれて、できることは協力してくれる。
だから私も親の様子、介護状況など、気がついたことをこまごまと報告することができるのです。

ここまでなんとなくうまくアネと遠距離介護を回してきましたが、それには一つのきっかけがありました。

まだ親が介護未満の時のこと。
私が出張で京都に行った時に、アネを呼び出して
「今後、離れて暮らす親の老後をどうするか?」と腹を割って質問を投げかけたのです。
その時は具体的な策は出なかったけれども、きょうだい2人とも親の介護を心配していること、できることとできなさそうなことを共有できたことは大きかった。
から介護が始まってからも、役割分担を始めわりとすんなり進みました。

思っていることを率直に言う、というのはきょうだいの間でも大切だと思います。
私の場合、アネと一緒に住んだのは18年間。まだお互い何者になるかわからない時期です。
アネも私もオトナになりました。少なくとも新発売のマンガをどちらが先に読むかで、ケンカしたりはしません。

でも全く手伝ってくれないのに、こちらがする介護に文句ばかり言うきょうだいの話もよく聞きます。一人っ子の友達は、1人で大変だけれども、きょうだいでもめることもなく自分で全て決断できるのでかえって楽だ、とも言います。

「協力しないで文句ばっかり言うきょうだいは、いないものとして扱う」
とは以前取材したファイナンシャルプランナーの先生論。
極論だけど賛成です。もしアネになんやかんや文句を言われたら、私はブチ切れていたでしょう。

「こんな人だったんだ!」と気づく前に、一度きょうだいで親が介護未満の時に今後のことを話し合うことはオススメです。
介護がうまく行けば、相続でもめることもほぼないと思いますよ。



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監修 / 杉山孝博 (かわさき幸クリニック院長)、黒田尚子(ファイナンシャルプランナー)
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