今からできる親のアロマケア(介護未満の方向け)
母が70代の頃、アロマテラピーを学び始めたので、実家に帰るたびにアロマトリートメントを施したり、洗面器にお湯をはって精油を入れ、足浴を実践していました。特に秋から冬にかけて母の足の冷えが気になっていたので、足浴中はご機嫌で、「いい香りね。」と笑顔で喜んでいました。本人はあまり冷えを感じていなくて、氷のように冷たい時もありました。年を重ねていくと代謝も落ちてくるので、体を温め、アロマテラピーで健康を維持することが大切です。また、認知症の発症はもの忘れからではなく、嗅覚の衰えが初めにやってくることがわかってきました。日頃から嗅覚を刺激して、認知症予防にも繋がる方法のひとつがアロマテラピーです。介護や認知症予防に、早い段階から介護未満の親にも簡単にできる方法が足浴(フットバス)です。
冷え改善のための精油
精油にはそれぞれの効能や効果があります。体を温める作用が期待できる精油をご紹介します。
・ラベンダー
気持ちが落ち着きリラックスできます。傷などの回復を早めます。
・スィートマジョラム
気持ちが落ち着き、冷えやむくみを緩和します。
・ティートリ―
気分を爽快にし、感染症の予防を期待できます。
・ゼラニウム
自律神経のバランスを整え、スキンケアにもおすすめです。
足浴(フットバス)の方法
お風呂に入る回数が少ないご高齢の方やお風呂が苦手な方にもおすすめです。
足浴(フットバス)の効果:
1.足を温めることで全身の血流がアップし体全体が温まり、冷えの改善に繋がります。
2.血液の循環が良くなり、老廃物の排泄がスムーズになり、むくみの改善に役立ちます。
3.体全体が温まることで緊張した筋肉が和らぎ、腰痛などの痛みも緩和されます。
4.皮膚を清潔に保ち、感染症の予防に役立ちます。
5.精油の香りでリラックス効果を得られ、精神的な不安感を払拭し、入眠を促す効果も期待できます。
足浴(フットバス)の方法:
【準備品】
- 足浴器(または足が入る大きさの洗面器等)
- 小さい容器(20ml~30ml位)
- 天然塩大さじ1(15g)または無水エタノール5ml
- 精油合計1滴~3滴
- お湯(40℃位)
- 水を入れた容器(差し水用)
- バスタオルまたはひざ掛け1
- フェイスタオル1枚
【足浴の方法】
1. 天然塩大さじ1または無水エタノール5mlを小さい容器に入れる。
2. 1の容器に精油を1滴~3滴入れてよく混ぜる。
3.2の容器の中身を足浴器に入れてよく混ぜる。
4.下半身にバスタオルまたはひざ掛けをかけて体を保温する。
5.足を静かに入れて、熱くないか冷たくないか必ず聞く。熱い場合は水を入れた別の容器を準備しておき、適宜差し水をする。
足浴時間は15分が目安だが、様子を見ながらぬるくなってきたら終了にする。フェイスタオルで片足ずつしっかりと水気を拭き取る。
*精油は水に溶けにくいので必ず希釈して使用する。
*肌に刺激を感じた場合はすぐに洗い流す。
*ご高齢の方は、熱さや冷たさの皮膚感覚が鈍くなっている場合もあるので温度には注意する。
家族みんなが癒され、体調を整え、健康であり続けることがとても大切です。そのひとつの自然療法がアロマテラピーです。天然の香りはわたしたちに様々な恩恵をもたらします。高齢になってもいつまでも元気でいることで、生き生きとした毎日を過ごすことができます。ぜひアロマテラピーを実践してくださいね。