私も家族も癒す介護アロマの力 vol.6
認知症予防とアロマ

90代の母が病院へ行く日を間違える

母が認知症かな?と思い始めたのは、病院へ行く日を勘違いする事から始まりました。
覚えておくために次に病院へ行く日付のカレンダーに丸をつけたり、リビングのテーブルに大きな字で紙に書いて貼りましたが、それさえも視界に入らないようでした。

朝6時頃電話があり、今日は病院だったかしら?という事が何度もありました。
また、実家で母を見守るために仕事をする日も増え、リモート会議をしている夕方に「おはよう!」と大きな声で元気にベッドから起きてくる事もあり、笑ってしまいました。ベッドに寝ている事も増えたので昼と夜の区別がつかなくなったようです。
また、冷暖房のスイッチがうまく押せなくなり、真冬の寒い日に室内で冷房をかけていて、「部屋がなかなか温まらないのよ。」と言う日もありました。

こういった認知症らしき症状が増えてきても、介護をする家族も少しずつ慣れてきて、母を笑顔に変えていこうと決め、起こったできごとを笑いに変える介護をなるべく実践しました。
ここにアロマテラピーという香りのツールを使って家族みんなが穏やかに過ごせるようになりました。

認知症予防におすすめの精油

鳥取大学の浦上克哉教授がアロマテラピーと認知症についての調査をされ、テレビで放映した所、4本の精油が売り切れになった事がありました。
浦上教授によると
“アルツハイマー型認知症では、アミロイドβたんぱくがたまるのが最初の変化だと言われています。
神経病理の専門医に調べてもらうと、鼻の奥にある嗅神経にアミロイドβたんぱくが、認知障害の初期からたまっていることが判明しました。これで嗅覚障害が認知障害に先行することが証明されました。”
と書かれています。

このような事から認知症は嗅覚が衰えることが先にくるようです。
嗅覚にアプローチするアロマテラピーは、とても有効な認知症予防のツールではないでしょうか。
まだ認知症になっていない人でも早い段階から生活の中にアロマテラピーを取り入れて認知症にならないように予防していくことは大切です。

“アロマテラピーによって認知機能が回復することはありませんが、悪化を防ぐ効果があることは科学的に確認しています。”

浦上教授が実践した昼と夜で使い分けるおすすめの精油をご紹介します。

・ローズマリーカンファー シソ科
集中力アップやリフレッシュ効果が期待できます。

・レモン ミカン科
明るい気持ちにさせてくれます。

・ラベンダー シソ科
気持ちが落ち着きリラックスできる効果が期待できます。

・オレンジスイート ミカン科
リラックス効果と適度な高揚効果が期待できます。

<おすすめブレンドレシピ>
◎昼用:ローズマリーカンファー2滴、レモン1滴
◎夜用:ラベンダー2滴、オレンジスイート1滴

認知症予防のためのアロマテラピー活用法

.昼用の精油はアロマペンダントに滴数たらして、いつも身につけてもらいます。
2.夜用の精油は芳香器にたらして寝室に香らせます。

※化学合成されたアロマオイルではなく、天然100%の純粋な精油をアロマ専門店で購入されることをおすすめします。

厚生労働省によれば、65歳以上の認知症の人数は、2025年には約650~700万人(高齢者の約5人に1人)に達すると予測されています。

アロマテラピーの香りの世界をぜひご家庭にも広げて、まずは認知症の予防のために今から試してみるのはいかがでしょうか。

引用:「もしかして認知症?軽度認知障害ならまだ引き返せる」著書浦上克哉
厚生労働省 こころの情報サイト