夫と折り合いの悪い義実家に対し、筆者が「定期的に訪問する」という選択に至るまでを描いた第1話に続き、
第2話では親を受け入れられないまま介護が始まるという、決して珍しくない状況に目を向けます。
介護の当事者になる一歩手前、
「始まりかけ」の立場にある筆者と、介護現場に長く関わってきた方とのやり取りを通して、
これから介護と向き合う人が抱えがちな葛藤や迷いが綴られています。
キター!! 介護ヲタク。
昨年、知りあったリコさんは、介護施設の施設長をしている。
弟さんが重度の障害児だった関係で福祉系の大学で学び、卒業後は在宅介護(訪問介護)の仕事を長年してきた。その後、縁あって介護施設の立ち上げに関わり、今は立ち上げた施設の施設長をしている。
施設長の傍ら、休みの日はヨガインストラクターをしているそうでスラっとしたショートカットの女性だ。私と同世代だが、学生時代はコンクールには出るほどバンド活動にのめり込むなど、いい意味で「福祉にどっぷり浸かっています」といった雰囲気がないところが話しやすいと思った。
初対面の日、くりっとした目を細めながら、「介護の仕事、面白くってしょうがないです」と、嬉しそうに言っていたのが印象に残った。
キター!!介護ヲタク。あ、もちろん「ヲタク」という言葉は敬意を表して使っています。

ライター歴は30年を超えようとしている私だが、「取材すべきはヲタク」だと思っている。
どんな分野にも、ヲタクはいる。その人たちの声や考えを世に出すことが、ライター業の醍醐味だと考えているからだ。
親を受け入れられないまま介護スタートはよくある話
今年の年明け、りこさんから年賀状を頂いた。私は年賀状をしていないので、お返事をメールで送りがてら、「介護についてのフリートークをしませんか?」と提案してみた。

りこさんがフリートークを快諾してくれたので、第一話をメールで送ってみたところ、こんな返事がきた。
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統計的なデータではなく、あくまでわたしのこれまでの経験則ですが、子どもが親を受け入れる困難さを抱えたまま、親が介護を必要とする年代になった家族は山ほどいると思います。
実際うちの入居者の家族にも、お嫁さんは会いに来るけど実の息子さんは来ないという方もいます。
そのことをわたしはまったく問題だと思っていません。子ども側が親に受け入れてもらえなかった事実のほうが、先にあると思うからです。
でも、親を受け入れないと決めている息子さんも、やはりどこかつらそうにも見えます。
清々さっぱりしているようには見えないのです。難しいですね。
鈴さんが、PTAの役員を引き受けるかの如く義実家に行かれる、その潔さのような探究心のような心持ちもとても惹かれます。そんな鈴さんを通して、夫様の心持ちが少しでも清々さっぱりしたものになれば…などと考えたりもしました。
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私は「介護が始まろうとしている人」
現時点の私は、「介護が始まろうとしている人」である。
現在進行形で「介護をしている人の話」は聞いたことがあるけれども、「介護が視野に入ってきて、それとどう向き合おうか試行錯誤をしている人の話」はあまり見たことがない。
3人に1人は「突然・介護」だと言われているが、裏を返せば3人に2人は、
介護が視野に入ってきて ⇒ その状態との向き合い方を模索し ⇒ だんだん「介護をしている人」
になった人なのだろう。
「介護が始まろうとしている人」と、りこさんとの「介護についてのフリートークの日々」を記録しておくことで、介護予備軍のロードマップになるのではないか? そんなことを考えている。






