年齢を重ねると、気になってくる筋力の低下。20代をピークに減少するといわれており、80代の太ももの筋肉量は、30代の平均値の半分ほどという報告もあるほどです。
筋力の低下は日常生活に影響を与えてしまい、出かけるのが億劫になったり、転びやすくなってしまったり……。元気な毎日を過ごすには、筋力をキープする食事や生活習慣を心がけることが大切です。
今回は食事にフォーカスを当て、筋力キープ、体づくりに役立つ食事のポイントと、おすすめレシピを管理栄養士が紹介します。
体づくりの食事のポイント
筋力をキープしたり体づくりをしたりするには、普段から意識して体を動かし、運動習慣をつけることが大切です。あわせて食事も工夫することで、より体づくりをサポートしてくれます。
どのような点に気をつけるとよいのか、食事のポイントを3つ紹介します。
1.毎食タンパク質を摂る
タンパク質は筋肉の材料となるため、筋力キープや体づくりに欠かせません。食事から摂るタンパク質やエネルギーが不足すると、筋肉が分解されてしまうため、筋肉量を減らしてしまいます。
「タンパク質は意識して摂っている」という方も多いかもしれませんが、例えば朝食が「ご飯とみそ汁」や「菓子パン」だけ……といった食事になっていませんか?昼食や夕食で気をつけていても、これではタンパク質が不足しがちに。毎食タンパク質を摂れるように意識し、卵料理や牛乳、ヨーグルトなどのタンパク源となるものをプラスするようにしましょう。
【タンパク質を含む食べ物の例】
肉・魚・卵・大豆製品・乳製品など
2. ビタミンB6を摂る
ビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートする栄養素です。タンパク質の摂取量が増えると必要量が高まるため、タンパク質とセットで摂るようにしましょう。
ビタミンB6は免疫機能の維持にも関わり、不足すると口内炎の原因になることもあります。元気な毎日を過ごすためにも意識して取り入れたい栄養素です。
【ビタミンB6を含む食べ物の例】
じゃがいも・さつまいも・ブロッコリー・ピーマン・かぼちゃ・バナナ・納豆・鶏むね肉・豚ヒレ肉・まぐろ・かつお・いわし・鮭など
3. 1日3食欠かさずとる
忙しさや食欲の低下、準備の手間などの理由から、朝食や昼食を抜いて1日2食といった不規則な食生活になっていませんか?食事を抜いてしまうと、栄養補給するチャンスが減ってしまいます。エネルギーやタンパク質不足の状態になり、筋力を減らしてしまう恐れがあるため、できるかぎり1日3食とるようにしましょう。
手軽に食べられて栄養補給できる、バナナやヨーグルトなどの簡単な食べ物を常備しておくと便利です。また食事の準備が大変になってきた場合は、必要に応じて配食サービスの利用も検討してみて、なるべく食事を欠かさずにとれるよう、工夫してみましょう。
体づくりにおすすめ!鮭としいたけのバター醤油炒めのレシピ
筋力キープや体づくりをしたいときにおすすめの「鮭としいたけのバター醤油炒め」のレシピを紹介します。
鮭はタンパク質やビタミンB6が豊富で、体づくりをサポートしてくれるのはもちろん、カルシウムやビタミンDなどの骨の健康づくりに役立つ栄養素も含みます。脂質もほどよく含みパサパサしづらいため、高齢の方の栄養補給にぴったりの食材です。
またビタミンDを含むしいたけを使い、ビタミンDをさらに強化。また長ねぎの青い部分にはカルシウムが含まれるため、カルシウムもプラスしてくれます。
さらに、鮭にはアスタキサンチンという色素成分が含まれます。抗酸化作用があり、体をサビから守り、免疫機能の維持や動脈硬化の予防などの、健康づくりにうれしい効能も期待できます。
簡単に作れるため、ぜひお試しください。
鮭としいたけのバター醤油炒めの作り方
<材料(2人分)>
- 生鮭…2切れ
- 生しいたけ…4枚
- 長ねぎ…1/2本
- 塩、こしょう…少々
- 薄力粉…適量
- バター…5g
- しょうゆ…小さじ2
- みりん…小さじ2
- 粗びき黒こしょう…少々
<作り方>
1.鮭は一口大に切り、塩、こしょうをふって薄力粉をまぶす。しいたけは5mm幅の薄切りにする。長ねぎは青い部分も含めて斜め薄切りにする。
2.フライパンにバターを入れて弱火で熱し、鮭を両面こんがりと焼く。フライパンの空いたところでしいたけを炒める。
3. 火が通ったら長ねぎ、しょうゆ、みりんを加えてサッと炒め合わせ、器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。
<ポイント>
長ねぎは食感や香りを残すために最後に加えていますが、やわらかく加熱したい場合は、しいたけと一緒のタイミングで加えて、よく炒めるようにしましょう。
食事の工夫で元気な毎日を過ごそう!
健康な状態をキープするには、毎日の食事のちょっとした工夫が大切です。日常的に体を動かすことや、運動も取り入れることも心がけて、元気な毎日を過ごしましょう。