親の介護は「嫁」がするもの?

「妻に自分の親の介護はさせない」
知り合いの女性のパートナーは、こう明言しているそうです。
なぜなら妻には機嫌よくしていて欲しいから、と。
(つまり義理の親の介護は、不機嫌になる要素ってことをやんわりと言っている)

有言実行で、彼は自分の親のことは事務手続きから全て自分でやっているそう。
「大賛成!!」
思わず手を挙げた私です。

長く昭和時代を過ごした私の頭のどこかに、「介護は『嫁』がするもの」というコトバの痕跡はあります。
大学生の頃は、家で母が認知症の祖母(母から見ると義母)を介護しているのを見ている。当時母が突発性難聴になったりして、ハンパないストレスを受けていたことも知っているし。

でもそれから40年近くたって、社会も変わり家族のあり方も多様になった。「こうあるべき」なんてことは全くないと断言します。

自分の親の介護ですら、想像以上に心身ともに削られました。
これをまた義理の親でもやるのかと・・・うーん、想像しただけでココロが折れそう。

現在うちはどうしているかというと、遠い横浜にいる私の両親が先に介護が必要な状態になりました。
私は山口と横浜を行ったり来たりしています。夫も協力的です。
(夫と私は仕事の都合で長く別居していたので、お互いの生活のペースができ上がっている。どちらかが不在でも全く問題なし)

その後、山口県内に住む義母の具合が悪くなってきました(義父は数年前に他界)。
夫は定期的に義母の様子を見に行ったり、義実家の隣に住む義妹と協力して事務手続きを進めています。

お互いのスタンスが、
・自分が自分の親の介護のハンドリングをする。
・基本的に相方は余計な口を出さない。でも助けを求められたら、全力でできることをする(ここ大事!)。

なのです。
このスタンスのおかげで、今のところなんとか最低限のストレスで進んでいます。

ただし夫と私の現在の介護体制は、いろんな条件下で成り立っています。
夫も私もフリーランスだから自分の都合で平日でも動けるし、それぞれ生活も自立している。
コドモたちも独立していて、一緒には住んでいない。

会社勤務だったら、動くことにも制約がかかります。
また自分の親が離れて暮らしていて、介護に行くのにパートナー(夫)に気を遣う、経済的にも厳しい。
パートナーや義理の親が介護は女性がやるべきという考え方を持っている。
こういう話も耳にします。

そして今まさに、義理の親御さんの介護をされている方もいらっしゃると思います。
嫁が義理の親の介護をするものだと頭ごなしに決めつけるべきではないと思うけど、介護せざるを得ない場合もあるでしょう。

だからこそ「こうあるべき」という一つだけの介護スタイルに縛られることなく、その家族に合わせたスタイルでいくべきだと思う。

「うわー!」って言いたくなることが山積みな、介護の現場。
周囲の反応はさておき、今置かれた状況でどういう方法を取ったら偏らず、うまく回っていくのか。
常にアップデートして柔軟にいきたいと思います。