認知症って一体どういうことなんだろうか?今回このようなテーマでお送りする連載記事を、医療に関わり、その後、介護付き有料老人ホームの看護職員として長年務められ、多くの認知の入居者に携わり、自らも認知症ケアについて学ばれている、松崎さんに認知症について綴っていただきました。
・認知症とは
「認知症じゃない?」「認知症かしら」「ニンチだよね!」よく耳にしますよね。そもそも認知症ってなんだろう?
そもそも「痴呆」「ボケ」と呼ばれていたものが、2004年に呼び方に侮辱性があるということで厚生労働省によって名称を変更されました。うーん。でも認知+症って言葉の意味から考えるとしっくりいかない。
認知=ある事柄をハッキリ認めること、心理学的に言うと知識を得ること。
症=病気の性質、様子と言う意味があり・・・ということは認知症は【知識を得る病気の性質】?何だかおかしい・・・
ある先生のセミナーで認知症とは
「心臓の動きが悪くなることを心不全というでしょう、認知症とは脳の動きが悪くなる脳不全ですよ。」と言われていました。
確かに何十年も手足を使えば関節の骨も擦り減りますし、目も視力が落ち、耳の聴こえも悪くなる。内臓もそうですよね。脳も同じです。さあ、皆さんこれから認知症について【病気の性質の知識を得る】ことにしましょう。
・自己紹介
経歴はプロフィールを見て頂ければと思います!少し付け足し自己PRをさせて頂きますね。
まず、私はおじいちゃんおばあちゃんが大好きです。皆さんと話をするのも大好き、特に認知症の方と関わることが好きです。皆さんの困りごと、生活の工夫を考えること、探し物をみつけるのも得意です。(名探偵コナンと呼ばれてます)ある利用者さん(施設入居の方)に言われた言葉が胸に刺さりました。
「私達も歳をとるのは初めてだからこれからどうなるかわからないわよ!」
そうなんです。皆がひとつひとつ歳をとっていくことは初めての経験なんです。身体の変化、記憶の変化、生活の変化、環境の変化、私はさもわかったような態度で皆さんに接していたのではないかと、はっとさせられました。
自分もひとつひとつ歳をとっていくのは初めてなのに・・・出会いは一期一会です。縁です。
出会った皆さんと一緒に楽しい時間を過ごしてひとつひとつ歳をとって行きたいと思っています。
・認知症ってどういう症状?
認知症には中核症状と周辺症状と2つがあります。
*中隔症状
中核症状は皆さんがよくご存じの記憶障害がメインになります。見当識障害とは時間、場所がわからなくなる。
失認症とは物、人の顔がわからなくなる。失行症とは日常生活で普段行っている動作がうまくできない。
失語症とは言葉が浮かばない、言葉が理解できない。
*周辺症状
周辺症状をBPSDと言うのも皆さんよく耳にされると思います。中核症状よりも家族、介護者を悩ませるのが周辺症状です。周辺症状には陰性症状、陽性症状があり、陰性症状だと食事が摂れなかったりで衰弱されるケースもあり、陽性症状が強い、よく易怒と言いますが急に怒り出し暴言、暴力などの行為が見られるなど本当に困ってしまいます。陽性症状が強い認知症は前頭側頭葉型認知症と言われています。
合わせて4大認知症の特徴を知っておくのも理解が深まると思います。図を見てお分かり頂けるかと思いますが、加齢に伴い被ってくる症状があります。例えばアルツハイマー型認知症と診断されたがその後、脳梗塞を起こしてしまったなどです。
・まとめ
認知症ってなんだろう?物忘れは加齢によってもおきます、私も先日、スーパーで急ぎ買ってきたストッキングを冷蔵庫に入れてました。携帯もよく探します。(おっちょこちょいとも言えますが)また精神疾患である大うつ病、躁うつ病(双極性障害)とも違いますし認知症と似た症状を起こす病気もありますので判別する必要はあります。
さあ、まずは認知症を知ることからはじめましょう。
認知症に似た症状について、また次回お話させていただきます。