「今は元気な親だけど、いつ何が起こるかわからない」
「でも毎日電話して安否確認というのもちょっと・・・」
そんな離れて暮らす親が心配な方にとって待望のアプリが誕生しました。
名前は「ミルマモ」。早速使ってみて強く思いました。
「これ、母が生きている間に一緒に使いたかった!」
母は今夏、入院先の病院で旅立ちました。元々はLINEも使いこなしていたのですが、認知症の初期症状が出始めた頃から、複雑なアプリ画面に戸惑い、届いたメッセージに返信をするのにも四苦八苦。そしていつしか画面を見ることもやめてしまっていたのです。
でもこのミルマモだったら、きっと使えていた気がします。
そしてこんな風に言ったかもしれません。
「これは私たちのホットラインね」と。
ミルマモで何ができるのか、どんな安心が得られるのか、ユーザ目線でご紹介します。
■ミルマモでできること
ミルマモとは、離れて暮らす家族を見守るためのアプリです。どんなことができるかは、ダウンロードしてホーム画面を見ればきっと一発でわかるはず。
ミルマモ公式サイト(iOS版・Android版のアプリあり)
ダウンロードは短時間でできますので、まずはご自身のスマホでどんなアプリなのか実際にみてみてください。開始後1か月間は無料でフル機能を試せます(その後は月額300円)
・安否確認・・・親がボタンをタップする(押す)とその通知が届く
・チャット・・・わかりやすい画面で2者間のチャットができる
・写真・・・写真をお互いに共有して楽しめる
・歩数データ・・・健康状態のバロメーターにもなる歩数を本人も家族も確認できる
・現在地・・・親のスマホの現在地を地図上で確認できる
・協力体制・・・兄弟姉妹や親戚など他の人の協力も得て見守りネットワークを作れる
実際には、見守られる当事者・見守る側の関係は「親子」とは限りませんが、この記事では便宜上、「見守られる側=親」「見守る側=子」という前提で話を進めていきますね。
■ポイント1:とにかく使いやすいシンプル画面
まず感動したのが、直観だけで操作できるわかりやすい画面です。
もう一度ホーム画面を見てみましょう。
あれ、さっき見たホーム画面と違うとお気付きの方がいるかもしれません。
そうなのです。実はこのアプリ、「見守る側」「見守られる側」で画面構成が全く異なり、それぞれに最適なホームが用意されているのです。
左側が、見守る側のホーム画面です。アプリを開けばすぐ親の最新の安否状況がわかるよう、安否確認ボタンが押された日時、スマホのバッテリー残量、その日のスマホ操作時間、歩数カウントが並んでいます。
そしてさらに現在地の確認が必要だったり、チャットで何か話しかけたい場合にはその下の「いまどこ」「チャット」をタップ(指で一回押すこと)します。
右側の、見守られる側の画面も、高齢者にやさしい迷わせない画面構成になっています。メニューは「安否ボタン」「チャット」「写真」「歩数データ」の4つ。加齢で判断力が衰えたり認知機能が弱まると、選択肢が多数ある状況が苦手になることがあります。何を選べばいいのか判断できなくなり、戸惑いや負担を感じてしまうのです。
このくらい絞り込んだ画面なら、きっと戸惑わずにタップできるでしょう。個人的にはどの画面からでもスムーズに戻ってこれるよう、ホーム画面のアイコンがもう少し目立つ大きさと色だとうれしいかなとは思いましたが、全体として無駄なものがなくとっても使いやすいシンプルな画面になっています。
■ポイント2:安否確認ボタンに居場所マップ
このアプリの主目的は、離れて暮らす親の安否確認です。
親側のアプリで「安否ボタン」がタップされると、子側のアプリに安否通知が届きます。
ちなみに親側の安否ボタン画面はこんな感じ。
とってもわかりやすいですね。
押すと「ご家族に無事をお知らせしました」と表示されます。
「でもうちの親は安否確認ボタンを押すこと自体を忘れちゃうかも」
と思った方もいるでしょう。
実は忘れても大丈夫なよう、毎日指定した時間にリマインドしてくれる機能もあります。
また忘れちゃっても、その日のスマホ操作時間や歩数を確認でき、歩数については過去履歴も見ることができるので安心です。チャットや電話で「安否確認がなかったから心配になっちゃった」とコンタクトしてみるきっかけにもなります。
居場所も確認できます。
これは、親が特に何かアクションをしなくても、子供の側から親のスマホのGPS機能を使って現在地を確認できるというものです。地図の上に顔写真入りでこんな感じに表示されます。
病院に忘れず行ったかな?デイケアからはもう帰ってきたかしら?そんなこともいちいち電話せずに確認できるので、「いくら電話してもつながらなくて心配になった」なんてことがなくなるでしょう。
■ポイント3:チャット&写真共有で近況報告しあう
単に見守る側のためだけのアプリではありません。
チャットや写真共有もあり、親側にとっても楽しめるアプリとなっています。
LINEなどだとメニューもいろいろで、ちょっとタップする場所を間違えると、何が何だかわからない場所に飛んでしまうこともあります。私の母はそれで使えなくなってしまいました。それまではLINEが私と母のコミュニケーションツールだったので、チャットが使えなくなったのは不便でした。
SMS(ショートメッセージサービス)もありますが、こちらも自分以外の知人などが連絡先として多数登録されているため、「どうすれば娘とチャットできるのか」を毎回悩んでしまったようです。
ミルマモなら、見守る家族しか登録されていないので迷いません。
写真も、それぞれが自分のアプリからアップロードして共有できるようになっています。庭で咲いた花、愛猫のキュートな寝顔、今日食べた旬の果物などなど、日常生活の中のちょっとした写真をお互いにアップしていけば、チャットや電話での会話のネタにもなって盛り上がるはずです。もちろんお互いの近況もよりよく把握できます。
■ポイント4:複数人で見守る体制が簡単に作れる
見守りも介護も、自分だけで全部抱え込むと気持ち的にも疲弊してしまいますし、心の余裕も失われてしまったりします。時に親にきつくあたってしまうのも、そんなストレスが原因だったりします。
頑張りすぎないこと、そして「自分以外の人も見ていてくれる」という安心感をもてる状況にしておくことがとっても大切なのです。
このミルマモでは、見守る側が他の人、たとえば自分の兄弟姉妹や親戚などを招待して、一緒に親を見守る協力ネットワークを作る機能があります(最大5名)。
招待された側も同じアプリをダウンロードする必要がありますが、画面はとってもシンプルで使いやすい構成になっているので、招待さえすれば、使い方や何をしてほしいかなどを細かく説明する必要もないでしょう。
安否確認の通知が届くようになれば、きっと「見守る側」としての自覚も生まれていくはずですし、共有された写真を通して、離れていても身近な存在に感じると思います。SNSならぬ「FNS(Family Network Service)」とでも呼ぶようなものかもしれません。
■帰省時に「ホットラインを作ろう」と提案してみよう
この見守りアプリ「ミルマモ」は、利用開始から一か月間は無料でフル機能を使うことができ、その後も月額わずか300円で利用できます。
スマホにある程度慣れている人なら、招待リンクが届けば自分でダウンロード・設定できますし、それがちょっと難しそうなら、帰省時に一緒にダウンロードして使い始めてみてもいいでしょう。
「親はまだ元気」と思っていても、実は加齢で身体の不調なども感じて不安に思い始めている可能性もあります。子供に心配をかけてはいけないと口にださないだけで、実は自分が家の中で倒れて誰にも気付かれなかったらどうしよう・・・と危惧しているかもしれません。
「こんな安否確認アプリがあるんだけど、試しに一か月使ってみない?」
と親を誘って使い始めてみてはいかがでしょうか。
これが親子の間の重要な絆、いざという時にも役立つ「ホットライン」になるかもしれません。