介護のきほん vol.4
要介護認定とは?

この連載では、ケアマネジャーである筆者が、介護に関する知識や情報、親の介護を少しでもラクにするためのヒントをわかりやすくご紹介します。


今回は、介護保険の利用を検討中という直子さん(55代・女性)からこんな質問をいただきました。

Q:最近、母に認知症の症状が出始めました。そこで、介護保険のことを調べると、まず要介護認定を受けなければならないと知りました。
要介護認定とはどのようなものなのでしょうか?また、要介護認定が必要な理由も教えてください。

A:「要支援状態や要介護状態にあるかどうか」また「その度合いがどれくらいか」を客観的に判定するのが要介護認定です。
介護保険サービスを受けるためには、この「要介護認定」が必要になります。

要介護認定は、最も介護度が軽い「要支援1」から、最も重い「要介護5」までの7段階あり、いずれかの区分に認定されると介護保険サービスを利用することができます。(非該当(自立)を含めると8段階)

今回は、要介護認定が必要な理由と要介護認定の受け方について紹介していきます。

1.要介護認定が必要な理由

介護保険で利用できるサービスの種類や1ヶ月に利用できる費用の上限額(区分支給限度額)は、要介護認定で決定された介護度ごとに異なります。(詳しくは→要支援と要介護は何が違うの?)

また、認定を受けると、所得に応じた1〜3割の自己負担で介護サービスを利用できるようになります。

◾️要介護・要支援認定の区分と利用できるサービスの種類

区分利用できるサービス
要支援1・介護予防サービス(予防給付)
・介護予防・日常生活支援総合事業
要支援2
要介護1・介護サービス(介護給付)
要介護2
要介護3
要介護4
要介護5
非該当(自立)・市区町村が行う介護予防事業

◾️介護度別の区分支給限度額

区分区分支給限度額
要支援15万320円
要支援210万5,310円
要介護116万7,650円
要介護219万7,050円
要介護327万480円
要介護430万9,380円
要介護536万2,170円

(1単位=10円で計算)

65歳(第1号被保険者)になると全ての方に、お住まいの市区町村から介護保険被保険者証(以下「介護保険証」)が郵送されますが、要介護認定を受けていない方の介護保険証は「要介護・要支援状態区分」や「認定の有効期限」など、多くの欄が空白になっています。

介護保険サービスを受けるときには、要介護認定を受けてこれらの欄が記入されている必要があります。

2.要介護認定の受け方

次に、要介護認定の受け方について確認しておきましょう。

要介護認定を受けるには、必要書類を用意して、本人の住民票のある市区町村に申請します。

必要な書類とは、要介護認定・要支援認定申請書のほか、介護保険被保険者証やマイナンバーが確認できるものなどです。(以下を参照してください)

申請手続きは地域包括支援センターに相談すればサポートしてもらうこともできますし、市区町村によってはマイナンバーを活用した電子申請も可能です。

【申請に必要な書類】 

◼︎要介護認定・要支援認定申請書:役所の窓口に置いてある、市区町村ホームページからダウンロードも可能
◼︎介護保険被保険者証:第1号被保険者(65歳以上)の方は必要
◼︎医療被保険者証:第2号被保険者(40〜64歳)の方は必要
◼︎マイナンバーが確認できるもの
◼︎申請者の身元が確認できるもの:マイナンバーカード、運転免許証、障害者手帳など
◼︎主治医の情報が確認できるもの:診察券、領収書など

認定が降りるまでの流れは以下の通りです。

1.要介護認定の申請、 2.認定調査・主治医の意見書

要介護認定の申請が受理されると、調査員による「認定調査」が行われます。
また、申請を受けた市区町村は申請者の主治医(かかりつけ医)に対して「主治医の意見書」の提出を依頼します。

3.要介護・支援認定

認定調査の結果と主治医の意見書がそろったら、コンピュータ診断による一次判定と、保健・福祉・医療の専門家からなる「介護認定審査会」による二次判定で審査判定を行います。
(結果は、「非該当」「要支援1・2」「要介護1〜5」の8段階で評価されます。)

認定結果が出ると「要介護・要支援認定結果通知書」が交付され、要介護状態区分や有効期間などが記載された介護保険被保険者証と一緒に自宅などへ郵送されます。
申請から結果通知書が届くまでの期間は約30日です。

なお、認定には有効期間があり、初回(新規)認定の有効期間は原則6ヵ月です。

引き続き介護サービスを利用する場合は、有効期間が終わる60日前から終わる日までの間に「更新申請」の手続きが必要となります。

3.まとめ

要介護認定は、介護保険サービスを利用するために必要です。また、介護保険で利用できるサービスの種類や費用の上限額は、要介護認定で認定された介護度によって決まります

要介護認定を受けると、介護サービスを利用する際の自己負担額が1〜3割で済むので、介護にかかる経済的な負担を軽減できます。

介護サービスを利用する予定のある方は、まずはお住まいの市区町村へ申請し、要介護認定を受けましょう。