介護のきほん vol.15
要介護4とはどのような状態?

この連載では、ケアマネジャーである筆者が、介護に関する知識や情報、親の介護を少しでもラクにするためのヒントをわかりやすくご紹介します。

Q:最近、88歳の叔母が要介護4と認定されました。要介護4というと、かなり介護が大変な状態だと聞いたことがあります。
具体的にはどのような状態なのでしょうか?また、要介護4で受けられる介護サービスを教えてください。

A:要介護4は、要介護1〜5の中で2番目に重い状態です。
日常生活のほとんどに介護が必要となり、介護者の負担も大きくなります。

今回は、要介護4の状態や受けられるサービスをご紹介していきます。

1.要介護4の状態とは?

要介護4は、日常生活のほとんどに介護が必要な状態です。
介助なしで立ったり歩いたりすることが難しく、座っている時も支えが必要となります。
認知面では、思考力や理解力が低下することがあり、認知症による行動・心理症状(BPSD)が見られる場合もあります。BPSDの例としては、徘徊や妄想、不潔行為などが挙げられますが、これらの症状はすべての方に見られるわけではありません。

要介護4の認定基準時間※1は90分以上110分未満であり、介護負担が「重度」とされる区分に属しています。介護者にかかる負担が大きく、在宅介護に限界を感じる段階だと言えるでしょう。
※1:認定基準時間とは「その人にかかる介護の手間」を時間に換算して評価したもの。

2.要介護3や5との違い

要介護3は、介護度7段階のうち、中程度の段階です。身の回りのことに介助が必要となりますが、介助を受ければ自分でできることが比較的多い状態です。

一方、要介護5は最重度の状態です。寝たきりで意思疎通も困難なケースが多くなります。

要介護4も寝たきりに近い状態ですが、一部の動作は自分で行うことが可能です。
要介護4は「できること」と「できないこと」が混在しつつ、全面的なサポートが必要な状態と言えるでしょう。

3.要介護4が受けられるサービス

要介護4では介護度を条件としたサービスの利用制限はありません。
以下は、在宅介護で利用できるサービスの種類です。

【自宅で受けられるサービス】
・訪問介護(ホームヘルパー)
・訪問入浴介護
・訪問看護
・訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護
・福祉用具貸与
・特定福祉用具販売
・住宅改修

【施設に通うサービス】
・通所介護(デイサービス)
・通所リハビリテーション(デイケア)
・地域密着型デイサービス
・療養デイサービス
・認知症デイサービス

【施設に宿泊するサービス】
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・短期入所療養介護(医療型ショートステイ)

【通い・訪問・宿泊がセットになっているサービス】
・小規模多機能型居宅介護
・看護小規模多機能型居宅介護

4.入所できる施設の種類

要介護4の方が入所できる施設の種類は、以下の通りです。

【介護保険施設】
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院

【特定施設入居者生活介護】
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅(介護型)
・ケアハウス(介護型)

【地域密着型】
・認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
・地域密着型特別養護老人ホーム

(詳しくは→介護保険で受けられるサービスの種類は?

5.要介護4の支給限度額

介護保険で在宅サービスを利用する場合の支給限度額(区分支給限度額)は、介護度に応じて設定されています。支給限度額内であれば、利用した介護サービスの費用は、利用者の所得に応じて1〜3割の自己負担だけで済ませることができます。

要介護4の支給限度額は、1ヶ月あたり「30万9,380円」です。

■要介護4の方の区分支給限度額

区分支給限度額自己負担1割の方自己負担2割の方自己負担3割の方
要介護430万9,380円3万938円6万1,876円9万2,814円

(1単位=10円として計算)

参考:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」

ただし、区分支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担(10割負担)となるため注意が必要です。担当のケアマネジャーとよく相談して、支給限度額内におさまるようにサービスの利用を調整することをおすすめします。

6.要介護4で在宅介護は可能?

要介護4の状態でも、在宅介護は可能です。
しかし、重度の介護を必要とする要介護4では、体力的にも精神的にも介護者の負担が大きくなることが課題となります。

そのため、無理のない介護生活を続けるには、介護者をケアする「レスパイトケア※1が必要不可欠です。
※1レスパイトケア:介護者が一時的に介護から離れて心身を休め、リフレッシュするためのサービス

介護保険では「訪問介護」や「デイサービス」、介護施設などに短期宿泊する「ショートステイ」などのサービスが「レスパイトケア」として利用可能です。
しかし、ショートステイは人気が高く、予約が取りにくい場合があります。

介護保険でのショートステイの利用が難しい場合は、医師の判断により医療保険で利用できる「レスパイト入院(介護家族支援短期入院)」も選択肢のひとつとなります。利用を検討される方は、かかりつけ医やケアマネジャーにご相談ください。
加えて、在宅介護の継続が難しくなることも考慮して、施設入所についてケアマネジャーに相談しておくと安心です。

在宅介護の限界を迎えてから施設探しを始めても、すぐに入所できるとは限りません。入所まで時間がかかる場合もあるため、早めに準備を始めておくと良いでしょう。