・もしゴミ屋敷の中で義祖母が倒れていたら?
今回はゴミ掃除をする中で印象的だった出来事を綴っていこうと思います。タイトル通り、義祖母が行方不明になり警察と救急隊を呼んだ話です。
最終的には義祖母は無事かつ元気という結末ですので、安心して読み進めていただければと思います。
たくさんの初めてを経験したのと、警察と救急隊を呼ぶまでの間や捜索中に思うこと、後悔したことなどがありました。反面教師にしてもらいつつ、だれかの役に立ったらいいなと思い、その時のことをここに残しておきます。
・その日は義祖母の誕生日をお祝いする約束
2022年の5月中旬。5月生まれの義祖母をお祝いする約束をしていたので、私たち夫婦はいつも通り隣の県から移動し、義母と合流。義母の車で義祖母の住む家に向かいました。
新緑が生い茂る季節だったので、「ご飯食べた後に元気があったら掃除する?夏が始まる前に庭の掃除くらいしちゃいたいよね〜」と話していたのを覚えています。
まさかこの後、食欲も失せ疲れ果て、誰も話さない食事会が待ってるとは知らず…
いつも通り到着するも連絡がつかない
義母の運転する車で義祖母宅に到着。玄関のチャイムを鳴らしますが反応がありません。でもこれはいつものこと。
家の中でテレビを大音量で流している時だとチャイムが聞こえなかったり、チャイムが聞こえていてもゴミの山を登山下山しないといけないので出てくるまで時間がかかっていたりします。
のんびり待っていましたが、その日は5分待ってもでてこず。何度かチャイムや玄関を叩いて義祖母を呼んで見ても反応がないのです。
さらに追い打ちをかけたのは夫が合鍵を忘れたこと。今回の一番のミスです。義祖母からの信頼を唯一獲得している夫は合鍵をゲットしていました。それを隣の県にある私たちの自宅に忘れてきたのです。なので鍵を開けて家の中を確認することができません。
この時に合鍵があれば大事にならず、かつ迅速に対応できていたので、みなさん合鍵は複数人で持っておくのがおすすめです。
どうしようもないので、一旦車を近くの駐車場に停め義母も合流。3人で玄関や庭から「おばあちゃーん!」と声をかけてみますが、返事はありません。そこで夫が義祖母のケータイに電話をかけてみると、家の中から着信音が聞こえました。
考えられるのは2パターン
いつも会う日が近くなると夫が「明日行くからね」と義祖母に電話をします。今回は2日前に電話をし、何時ごろ行くのかなどを伝えていました。義祖母は高齢ではありますが今まで会う約束を忘れたことはありません。なんだったら、ご飯の時や掃除の時のちょっとした雑談の内容も覚えています。ということで、義祖母の状況について考えられるのは2つ。1パターン目は中で倒れているのかもしれない。2パターン目は急にボケてしまい、ケータイをおいたままお出かけしているだけかもしれない。
義祖母が中で倒れているのではないか
最悪のケースとしては中で倒れてしまって意識がないか、動けない状態になっていること。なんせ中はゴミ屋敷。転んだ拍子に積み上げられたゴミが雪崩を起こしていたら、その下敷きになっている可能性もあります。
すぐに義母が玄関の外にある郵便ポストとお弁当の宅配ボックスをチェックしました。郵便ポストは空っぽで、宅配ボックスにはお弁当がまだ暖かい状態で入っていました。ということで、朝の新聞は受け取っていて、お昼のお弁当は受け取っていない状態。義母の名探偵のような推理力が冴えています。
そこから義母はデイケアサービスの担当者、お弁当の宅配会社などあちこちに電話をかけて義祖母の行方を探ります。
その間、夫は家の鍵を開けられないか鍵屋さんに電話し事情を説明しましたが、当たり前ですが依頼人本人以外の家の鍵は開けられないとのこと。どうしても開ける必要があるなら警察に連絡し、立ち会ってもらえれば可能とのことでした。
わたしは裏にある勝手口のほうが義祖母が生活するエリアに近いので、そこから声かけできないかと思いつき、裏に回る道を見に行きました。そして絶望していました。
草ではないけど木でもない、でもそこを歩いて通ることはできないような植物で生い茂っていたのです。
早々に裏に回ることを諦めて夫の電話を立ち聞きするくらいしかやることはありませんでした。
ただ外出しているだけではないか
すぐに家の中に入れる状況ではないので、別の可能性についても話し合いました。今日の予定を忘れて外出していて、しばらくしたらひょっこり戻ってくるのではないかという可能性です。
「今まで約束していた日に義祖母がいなかったことはなかったので、もしかしたらボケてしまったのかも。だとしたら一人でお出かけは危険があるかもしれない。でも2日前に話した時にそんな違和感はなかったしボケてないと思う。」
と夫。
「おばあちゃんが一人で出かけるには徒歩かバス。バスに乗る予定は聞いてないからないと思う。徒歩だったら近くの病院までしかいけないはず。ボケていたらわからないけど。」
と義母。
掃除の時の雑談から、義祖母が近くの病院にたまに歩いて行っていることは知っていました。
その心当たりある病院に義母が電話をかけましたが、義祖母の行方は分からず、中で倒れているのでは?という心配が加速していきました。
・警察と救急車を呼ぶことに
電話や各所に連絡を取りながらも、家の周りをぐるぐるしつつ、鍵が開いている窓がないか、行動しながら考えを巡らせます。
でも用心深い義祖母はしっかりと鍵を閉めているし、一部の窓はゴミで埋まっている状態なのでどうにもできません。
私が挫折した裏の勝手口までの道も、3人で車の中にある掃除道具を取り出して、ゴミ袋を防護服のように被り、草木を刈り、手で折れる植物は折って、足で雑草を踏み固めながら道を開拓しました。
無事裏に回ることはできましたが、勝手口ももちろん鍵は閉まっているし声がけしても反応がありません。
そして万が一、中で倒れているのであればいち早く救出しなければと判断が迫られ、結局警察にきてもらい鍵を開けることにしました。
夫、人生初の110番
夫「101番だっけ?!あれ?警察って何番だっけ?」
私「110番じゃない?あれでも救急車は何番?119番が警察?117もよく聞くよね?!」
細かくは記憶していませんが、110番の番号がわからずこんな会話をしました。人間は焦るとダメですね。
110番にて事情を話したところ、「すぐに向かいますが、万が一倒れていたら大変なので救急車も呼んでください」とのこと。110番に続き人生初の119番もデビューです。
そして救急隊がドアを壊すか、窓から入るということで鍵屋は呼ばずに待つことになりました。
連絡して10分も立たずにパトカーと救急車が到着。たくさんの救急隊と警察官に夫が現状を説明し、救出を待つことになりました。
続きは次回、後編でお話しします。