「介護付き有料老人ホームとはどんな施設?入居条件や費用を解説【介護のきほん vol.31】

今回は「介護付き有料老人ホームとはどんな施設なのか?」をテーマに、入居条件やサービス内容、費用相場、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

Q:
私の母(78歳・要介護1)は最近体調を崩すことが増え、一人暮らしが難しくなってきました。現在は訪問介護を利用していますが、今後のことを考えて「介護付き有料老人ホーム」への入居を検討しています。ただ、どんな施設なのか具体的に分からないので、教えていただけると助かります。

A:
介護付き有料老人ホームは、24時間体制で介護サービスを提供する民間の老人ホームです。食事、入浴、排せつなどの身体介護はもちろん、掃除や洗濯などの生活支援も受けることができます。
今回は、介護付き有料老人ホームの概要や入居条件、サービス内容、費用相場、メリット・デメリットについてご紹介します。

1. 介護付き有料老人ホームとは?

介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた事業者が運営する施設です。この指定を受けている施設のみが「介護付き」や「ケア付き」と名乗ることができます。
施設のケアマネジャーがケアプランを作成し、そのプランに基づいて施設の職員がサービスを提供するのが特徴です。夜間は必ず介護職員が勤務し、少なくとも日中は看護職員が配置されています。これにより、入居者は24時間体制で必要な介護サービスを受けることができます。

※一部の施設では、施設の職員が安否確認や見守りを行い、介護サービスは外部の事業者に委託する「外部サービス利用型」もあります。

介護付き有料老人ホームのイメージ

①介護付き有料老人ホームの入居条件

介護付き有料老人ホームの入居条件は、施設の種類や運営方針によって異なりますが、一般的な基準は以下の通りです。

◾️年齢
原則として、65歳以上

◾️介護度
「介護専用型」と「混合型」の2種類があり、それぞれで入居できる介護度が異なります。

介護専用型:要介護1以上の方が対象です。

混合型:自立した方から要介護の方まで幅広く受け入れています。例えば、夫婦の一方が要介護で、もう一方が自立している場合でも一緒に入居可能です。

◾️認知症の対応
多くの施設では認知症の方も受け入れ可能ですが、事前に確認が必要です。

◾️その他の条件
一部の施設では、入居者が医療的なケアを必要とする場合や、特定の健康状態にある場合の受け入れ条件が設けられていることがあります。

②介護付き有料老人ホームのサービス内容

高齢者が安心して生活できるように、身体介護や生活支援、医療的ケア、食事サービス、リハビリテーション、レクリエーションなど、多岐にわたるサービスが提供されています。

◾️介護サービス
・身体介護:食事、入浴、排せつ、着替えなど、日常生活に必要な介助が受けられます。
・生活支援:居室の清掃や洗濯、買い物、行政手続きの代行などが受けられます。

◾️医療的ケア
・健康管理:看護職員による日常的な健康チェック(血圧、体温など)や服薬管理などが受けられます。医療機関との連携により、必要に応じて訪問診療や健康診断も実施されます。
・緊急対応:夜間や緊急時には、オンコール体制(※)を整え、必要に応じて医療機関に搬送します。
※オンコール体制:看護職員が勤務時間外に自宅で待機し、必要に応じて施設からの連絡に対応する仕組み

◾️食事サービス
・栄養管理:入居者の健康状態に配慮した栄養バランスの取れた食事が提供されます。個々の嗜好や健康状態に応じた食事形態(刻み食、トロミ食など)にも対応しています。
・イベント食:季節の行事に合わせた特別な食事や、食事を楽しむためのイベントが実施されています。

◾️リハビリテーション
・機能訓練:理学療法士や作業療法士などによるリハビリテーションが行われ、身体機能や認知機能の維持・改善を目指します。

◾️レクリエーション・イベント
・アクティビティ:スタッフが企画したゲームや運動、カラオケ、手芸などのレクリエーション、季節ごとのイベント(お花見、夏祭りなど)が開催されます。

2. 介護付き有料老人ホームの費用相場

介護付き有料老人ホームの費用相場は、地域や施設の種類、提供されるサービス内容によって大きく異なります。以下に、一般的な費用の内訳と相場をまとめます。

費用の内訳

◾️入居一時金(初期費用)
入居時に支払う初期費用のこと。相場は0円〜数千万円まで幅広く、特に高級施設では高額になります。

◾️月額費用
月額費用の相場は、一般的に15万円〜35万円程度。都市部では高額になる傾向があります。

月額費用の主な内訳は以下の通りです。

・居住費:家賃に相当する費用。施設の立地や居室の広さによって異なる。
・管理費・水道光熱費:施設の共用部分の管理や光熱費に関する費用。
・食費:提供される食事にかかる費用。
・介護サービス費用:介護サービスを利用する際の費用。介護度に応じて変動する。
・その他費用:日用品費、イベント参加費、理美容費など

介護付き有料老人ホームの費用例

項目費用の目安
入居一時金0円 ~ 数千万円
月額費用(合計)9万円〜30万円
  居住費6万円 ~ 15万円
  管理費・水道光熱費5,000円 ~ 1万円
  介護サービス費用9,000円 ~ 6万円
  食費1万円 ~ 3万円
  その他費用1万円 ~ 5万円

介護付き有料老人ホームの費用は、入居一時金が0円から数千万円、月額費用が15万円〜35万円程度と幅広いのが特徴です。公的な施設よりも高額になる場合が多く、施設の立地や提供されるサービス内容によって大きく変動します。入居を検討する際には、詳細な費用を確認する必要があります。

3. 介護付き有料老人ホームのメリット・デメリット

介護付き有料老人ホームのメリットとデメリット

次に、介護付き有料老人ホームに入居した場合のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

①24時間体制の介護サービス
介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐し、急な体調変化にも迅速に対応してもらえます。

②医療的ケアの充実
介護付き有料老人ホームでは、少なくとも看護師が日中に常駐し、日常的な健康管理や医療行為が行われます。持病を持つ方でも安心して暮らすことができるでしょう。

③充実したサービス内容
食事、入浴、排せつの介助に加え、生活支援、リハビリ、レクリエーションなどさまざまなサービスを入居者の状態に合わせて受けられます。「終の棲家」として安心した老後生活を送ることができるでしょう。

④自立〜要介護5まで入居可能
混合型の施設では、自立〜要介護5の方まで幅広く受け入れており、介護度の違う夫婦で入居することができます。また、介護度が上がった場合でも同じ施設に住み続けることが可能です。

⑤選択肢の幅が広い
介護付き有料老人ホームは全国にたくさんの施設があり、それぞれでサービス内容や料金が異なるため、自分に合った施設を選びやすいのがメリットです。

デメリット

①費用が高額
月額費用が15万円以上になることが一般的なため、公的施設と比べ、全体的に費用が高めです。
また、施設ごとに費用の差が大きく、特に高級施設では、月額費用が100万円を超えることも珍しくありません。

②生活の自由度が低い
介護付き有料老人ホームでは、施設のルールに従って生活する必要があり、自宅での生活に比べて自由度が低くなることがあります。

③入居待機の可能性
特別養護老人ホームに比べて、民間の介護付き有料老人ホームは比較的入居しやすいですが、人気の施設はすぐに満室になるため、入居待ちが発生することがあります。

④サービスの質の差
介護付き有料老人ホームは民間企業が運営しているため、施設ごとにサービスの質や内容が異なります。とくに、料金が高額な高級施設の方が、サービスや設備が充実している傾向にあります。入居を検討する際は、施設ごとの特徴やサービス内容をしっかり確認することが大切です。

4. まとめ

介護付き有料老人ホームは、自立の方から介護が必要な方まで安心して暮らせる施設です。施設によってサービス内容や費用が大きく異なるため、複数の施設を比較検討することが大切です。入居される方やご家族の状況・希望に合わせて、最適な施設を選びましょう。
厚労省:全国の有料老人ホーム一覧

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