訪問入浴介護とは、自宅での入浴が難しい方に対して、専門スタッフが自宅を訪問し入浴をサポートする介護サービスです。
本記事では、訪問入浴介護のサービス内容や利用条件、費用、注意点についてわかりやすく解説します。
Q:
自宅での入浴が難しくなった父(要介護3、87歳)に訪問入浴介護の利用を検討しています。具体的にどのようなサービスが受けられるのでしょうか?
A:
訪問入浴介護は、事業者が「入浴車」で利用者の自宅に訪問し、簡易浴槽を運び入れて入浴介助を行うサービスです。
介護保険で利用できるサービスの1つで、外出が困難な方や家族だけでは入浴介助が難しい場合に利用します。
今回は、訪問入浴介護サービスについて、サービス内容や費用、利用する際の注意点についてご紹介します。
1.訪問入浴介護とは?サービス内容と対象者を解説
訪問入浴は、以下のような方におすすめのサービスです。
- 自宅での入浴が困難
・本人が体力や筋力の低下、病気や障害により自力での入浴が難しい
- 家族の介助だけでは入浴が困難
・家族の介助だけでは自宅で安全に入浴ができない
・介助者が高齢や体力的に負担が大きい
- 外出が困難
・本人が外出することが困難で、デイサービスやデイケアの利用も難しい
- 体調の変化が激しい
・体調が不安定で、看護師のサポートがある中で入浴したい
訪問入浴介護は、専門スタッフによる入浴の介助に加え、看護師による体調チェックも受けられるため、自宅で安心して入浴できます。
定期的な入浴は、身体の清潔を保つだけでなく、気分転換や生活リズムの維持にも役立ちます。
訪問入浴介護は、介護保険で利用できるサービスの1つです。
介護保険で受けられるサービスの全体像を知りたい方は、介護保険で受けられるサービス一覧も参考にしてください。→こちら

2.訪問入浴介護の利用条件(対象者)
・要介護1〜5の認定を受けている方
・主治医から入浴を許可されている方
訪問入浴介護を利用する際には、主治医の確認が必要となる場合があります。
また、要支援1.2の方も予防目的で「介護予防訪問入浴介護」を受けることができますが、自宅に浴室がないなどの条件を満たす必要があります。
3.訪問入浴介護のサービス内容と流れ
訪問するスタッフは通常3人で、基本的に介護スタッフ2名と看護師1名です。要支援の場合は、介護スタッフ1名と看護師1名での訪問が基本です。
室内に浴槽を設置するため、畳1畳半〜2畳ほどのスペースが必要となります。家具などの移動が必要な場合は、訪問スタッフに対応してもらえます。
サービス利用の流れ
①スタッフが訪問、浴槽の設置
↓
②湯張り
↓
③体調管理
↓
④入浴
↓
⑤お風呂から出る、更衣介助
↓
⑥入浴後のケア、体調チェック
↓
⑦片付け
入浴前は、主治医の指示に基づいて、看護師(体調が安定している場合は介護スタッフ)が血圧・脈拍・体温などを測定し、体調を確認します。
入浴時間は約10分で、浴槽に浸かっている間に、頭や身体を洗います。
入浴後は、水分補給を行い、ドライヤーで髪を乾かし、最後に体調に変化がないか血圧や脈拍などをスタッフが確認して終了です。
なお、利用者の体調によっては、全身入浴ではなく部分入浴や身体を拭く清拭にとどめる場合があります。

4.訪問入浴介護の費用と料金の目安
訪問入浴介護にかかる費用は、以下の通りです。
| 介護度 | 範囲 | 1回あたりの料金 |
| 要支援1・2 | 全身浴 | 856円 |
| 部分浴・清拭 | 770円 | |
| 要介護1〜5 | 全身浴 | 1266円 |
| 部分浴・清拭 | 1139円 |
(※介護保険1割負担の場合の自己負担額) 「介護報酬の算定構造」
訪問入浴介護の料金は、全身浴か部分浴か、清拭かで金額が異なります。
そのほかにも、利用する事業所により地域加算や介護職員処遇改善加算などの費用が加算されることがありますので、利用前に確認しておきましょう。
5.訪問入浴介護を利用する際の注意点
1.利用料が高めの設定
訪問入浴介護は、複数のスタッフが自宅を訪問するため、ほかの介護サービスと比べて利用料金が高くなる傾向があります。
費用面で負担に感じる場合は、以下の介護サービスでも入浴介護を受けることが可能です。
・訪問介護(ホームヘルパー)
・デイサービス(通所介護)
・デイケア(通所リハビリテーション)
これらのサービスは、訪問入浴介護よりも安い料金で利用できる場合があります。
どのサービスを選択するかは、ケアマネジャーに相談し、本人の状態や家族の状況、費用などを考慮して決めるとよいでしょう。
2.男性スタッフが訪問することも
訪問入浴の仕事は重労働のため、男性の看護師や介護スタッフが訪問することもあります。女性が利用する場合は、男性スタッフから介助を受けることに不快感を覚える方もいるかもしれません。
そのため、利用前には、本人の意向を確認し、場合よっては同性のスタッフによる介助が可能か事業者に相談しましょう。
6.訪問入浴介護のメリット・デメリット
訪問入浴介護には、メリットとデメリットがあります。
【メリット】
・自宅で安全に入浴できる
・看護師による体調管理があるため安心
・家族の介護負担を軽減できる
【デメリット】
・利用料金が比較的高い
・浴槽設置のためスペースが必要
・スタッフとの相性が合わない場合もある
利用前にメリット・デメリットを理解しておくことで、後悔のない選択につながります。
7.まとめ
訪問入浴介護は、自宅での入浴が困難な方や家族だけで入浴介助が難しい場合に、安心して利用できる重要な介護サービスです。
専門スタッフによる入浴の介助に加え、看護師による体調チェックも受けられるため、在宅介護をしている家族の不安も軽減されるでしょう。
ただし、複数のスタッフが訪問するサービスのため、利用料は高めの設定になっています。
そのため、費用面で負担に感じる場合は、訪問介護や通所介護などのサービスでも入浴介助を受けられるため、選択肢として検討できます。
訪問入浴介護をはじめとした介護サービスの利用については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターにご相談ください。
ケアマネジャーの役割について詳しく知りたい方は、ケアマネジャーとは?の記事も参考にしてください。
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