訪問看護とは|サービス内容・対象者・費用をわかりやすく解説【介護のきほん vol.28】

訪問看護とは、看護師などの医療従事者が自宅を訪問し、医療ケアや生活支援を行うサービスです。

この連載では、ケアマネジャーである筆者が、介護に関する知識や情報、親の介護を少しでもラクにするためのヒントをわかりやすくご紹介します。

Q:
母(89歳・要介護4)の在宅介護をしています。先日、主治医から「訪問看護」の利用をすすめられました。「訪問看護」とはどのようなサービスで、費用はどのくらいかかるのでしょうか?

A:
訪問看護とは、看護師などが自宅を訪問し、医療ケアや日常生活のサポートを行うサービスです。病院に行かなくても自宅で安心してケアを受けられるため、療養中の方や介護が必要な方にとって非常に心強い存在です。

今回は、訪問看護で受けられる具体的なサービス内容や、利用開始までの流れ、そして気になる費用について詳しくご紹介します。

1.訪問看護の対象者とは?利用できる条件を解説

訪問看護は、病院や訪問看護ステーションなどから、看護師やリハビリ専門職などの医療従事者が利用者の自宅を訪問し、医療ケアや日常生活のサポートを提供するサービスです。
療養中の方や介護が必要な方が、自宅で安心して生活を続けられるよう、診療の補助やリハビリテーションを行います。
訪問する医療従事者は、医療ケアが必要な場合は看護師が、リハビリテーションが必要な場合は理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が担当し、専門的なサービスを提供します。

訪問看護と訪問介護の違いとは

訪問看護と訪問介護は混同されがちですが、提供されるサービス内容が異なります。
訪問看護は看護師などの医療従事者が行い、医療処置や健康管理などの医療的ケアが中心です。一方、訪問介護はホームヘルパーが行い、掃除や洗濯、食事の準備などの生活支援や身体介護を提供します。
医療的なケアが必要な場合は訪問看護、日常生活のサポートが必要な場合は訪問介護を利用するとよいでしょう。

訪問看護はどんな方におすすめ?

訪問看護は、以下のような方に特におすすめです。

・自宅で療養を続けたい方
・医療処置(点滴・カテーテル管理など)が必要な方
・退院後のケアに不安がある方
・家族だけでの介護に負担を感じている方

専門職によるサポートを受けることで、自宅でも安心して生活を続けることができます。

訪問看護での医療ケアの様子

2.訪問看護の利用対象者とは

訪問看護は、利用する方の状態や医師の指示に応じて、介護保険または医療保険が適用されます。それぞれの対象者は以下の通りです。

介護保険で利用する場合

  • 65歳以上: 要支援・要介護認定を受けた方
  • 40歳以上65歳未満: 特定疾病(例: がん末期、関節リウマチなど)で要支援・要介護認定を受けた方

医療保険で利用する場合

  • 厚生労働省が指定する難病を持つ方(例: 末期の悪性腫瘍、進行性筋ジストロフィー症など)
  • 精神科訪問看護が必要な方
  • 病状の悪化などにより特別訪問看護指示期間にある方

3.訪問看護で受けられるサービス内容

訪問看護で受けられる主なサービス内容は、以下の通りです。

◾️健康状態の管理
血圧、脈拍、体温などのバイタルサインの測定を行い、健康状態を管理します。

◾️医療処置
医師の指示に基づき、注射や点滴、カテーテル管理、酸素吸入器の管理を行います。床ずれ(褥瘡)の処置やガーゼ交換も含まれます。

◾️日常生活の支援
入浴や清拭、洗髪などの身体衛生管理を行い、排泄の介助や指導も提供します。

◾️リハビリテーション
理学療法士や作業療法士がリハビリテーションを提供し、機能回復や嚥下訓練を行います。

◾️終末期ケア・緩和ケア
利用者とその家族に対する心のケアや、苦痛の緩和を目的としたケアを行います。

◾️医療機関との連携
医師や医療機関と連携し、迅速に対応します。情報共有を通じて質の高いケアを提供します。

◾️家族への支援と相談
介護方法のアドバイスや相談に応じ、家族が抱える不安や疑問に対して適切な支援を行います。

なお、訪問看護サービス事業者のなかには、自費サービスとしてイベントや旅行などへの付き添いや死後の処置などを行うところもあります。

訪問看護とはどんなサービスかイメージ

5.訪問看護の利用の流れ

訪問看護の利用手続きは、介護保険と医療保険のどちらを利用するかによって異なります。利用する方の状況に応じて、適切な手続きを行いましょう。

介護保険を利用する場合

介護保険で訪問看護を利用する場合、要介護認定を受ける必要があります。

  1. 要介護認定の申請:自治体の窓口で申請し、要介護度の認定を受けます。
  2. ケアプランの作成:ケアマネージャーと相談し、ケアプランを作成します。
  3. 訪問看護ステーションの選択:訪問看護ステーションを選びます。
  4. 契約と利用開始:訪問看護ステーションと契約し、サービスを開始します。

医療保険を利用する場合

医療保険での訪問介護利用までの流れは、以下の通りです。

  1. 主治医との相談:訪問看護が必要かどうか主治医と相談します。
  2. 訪問看護指示書の発行: 主治医から訪問看護指示書を発行してもらいます。
  3. 訪問看護ステーションへの連絡:指示書をもとに訪問看護ステーションに連絡をします。
  4. 契約と利用開始:訪問看護ステーションと契約し、サービスを開始します。

6.訪問看護の費用はいくら?

訪問看護にかかる費用は、介護保険と医療保険のどちらを利用するかによって異なります。

介護保険を利用する場合

介護保険を利用した訪問看護の費用は、所得に応じて1〜3割の自己負担が必要です。
訪問看護ステーションの看護師が訪問する場合のサービス費用は以下の通りです。

時間料金
20分未満3,130円
30分未満4,700円
30分以上1時間未満8,210円
1時間以上1時間30分未満11,250円

上記に加えて、夜間・早朝に訪問する場合は、加算料金が適用されることがあります。

なお、介護保険で利用する場合、要介護度ごとに支給限度額が設けられており、それを超える分については全額自己負担となることは覚えておきましょう。

医療保険を利用する場合

医療保険を利用した訪問看護の費用は、年齢や所得に応じて1〜3割の自己負担が必要です。

看護師が訪問する場合では、週3日までの訪問は1回あたり5,550円、週4回以上になると6,550円が基本料金です。

24時間の対応体制や特別な管理が必要な場合には、月ごとに加算料金が発生します。事前にしっかりと確認しておきましょう。

※参考「介護健康福祉のお役等通信」
【最新】訪問看護費 単位数一覧
<【最新】訪問看護費 単位数一覧 <2026年・2024年介護報酬改定対応>
https://carenote.jp/202404-houmonkango-tani/

7.訪問看護を利用する際の注意点

生活支援サービスは受けられない

訪問看護では、医療ケア中心のため、買い物や掃除、調理といった生活支援サービスは提供されません。これらの生活援助が必要な場合は、訪問介護などの別のサービスを併用する必要があります。

利用開始までに時間がかかる

訪問看護を利用する際には、主治医からの指示書の発行やケアプランの作成、訪問看護ステーションとの契約などいくつかの準備が必要となり、利用開始までに時間がかかることがあります。

スムーズに利用を開始するためには、早めに主治医に相談し、ケアマネジャーと連携をとることが大切です。

8.まとめ

訪問看護は、ご自宅で安心して生活を続けるための心強いサービスです。利用を検討する場合は、まずは主治医やケアマネジャーにご相談ください。

※参考:厚生労働省「訪問看護について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html

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