要支援2とはどのような状態か、どのような介護予防サービスが利用できるのか気になる方も多いでしょう。
この連載では、ケアマネジャーである筆者が、要支援2の認定基準、利用できるサービス、支給限度額、一人暮らしの可否についてわかりやすく解説します。
Q:
先日、一人暮らしの叔母が要支援2と認定されました。要支援2とはどのような状態なのでしょうか?受けられる介護サービスの種類や、今後一人暮らしを続けられるかどうかについて知りたいです。
A:
要支援2は、7段階の要介護認定のなかで、要支援1に次いで2番目に症状の軽い区分です。立ち上がりや歩行が不安定で、身の回りのことにサポートを必要としますが、要介護状態には至っていない段階です。
今回は、要支援2の状態と受けられる介護サービスをご紹介します。
1.要支援2とは?認定基準と身体状態
要支援2とは、介護保険の要介護認定区分の中で、要支援1よりも支援の必要性が高い状態を指します。立ち上がりや歩行にやや困難がある状態で、食事や排泄、入浴といった日常生活に部分的な支援が必要です
ただし、適切なサポートがあれば、要介護に進まないよう予防できる可能性があります。
具体的には、以下のような状態が当てはまります。
- 立ち上がりや歩行がふらつき、転倒しやすい
- 簡単な家事(掃除、洗濯など)に時間がかかり、負担が大きい
- 買い物に行くのが困難
- 食事の準備や後片付けに手助けが必要
◼︎要介護1との違い
要支要2と要介護1では、身体的な状態に大きな差はありません。
要介護1と判定されるのは、認知症の症状や判断能力の低下がみられる方、主治医により「体調が悪化する可能性がある」と判断された方です。
一方、要支援2となるのは、リハビリで状態の維持や改善が見込まれる方です。
◼︎要支援1との違い
支援1は、食事や排せつといった日常的な生活動作はほぼ自立していますが、買い物や掃除などの一部動作にサポートが必要な状態です。
要支援1と要支援2では、どちらも日常生活の一部に支援が必要ですが、要支援2の方が介護の必要度が高く、より多くの場面でサポートが求められます

2.要支援2で利用できる介護予防サービス一覧
要支援2の方は介護保険の「介護予防サービス」が利用できます。心身の状態を今以上に悪化させないこと、なるべく自立できる方向へ促すことが介護予防サービスの目的です。
なお、介護予防サービスには、介護保険を利用した全国一律のものと、市区町村により内容や料金が異なるもの(総合事業のサービス)があります。受けられるサービスが市区町村により異なる場合があるため、お住まいの市区町村に確認が必要です。
要支援2の方が利用できる介護予防サービスは、以下の通りです。
◾️訪問型サービス
・介護予防訪問介護(ホームヘルプ)
・介護予防訪問入浴介護
・介護予防訪問看護
・介護予防訪問リハビリテーション
・介護予防居宅療養管理指導
◾️通所型サービス
・介護予防通所介護(デイサービス)
・介護予防通所リハビリテーション(デイケア)
・介護予防認知症対応型通所介護
◾️宿泊型サービス
・介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
・介護予防短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
◾️複合型サービス
・介護予防小規模多機能型居宅介護
◾️生活環境を整えるサービス
・介護予防福祉用具貸与(レンタル)
・特定介護予防福祉用具販売(購入)
・介護予防住宅改修
※要支援2の方がレンタルできる福祉用具は、歩行器、歩行補助杖、手すり、スロープの4品目に限られます。対象外となっているものでも、市区町村や医師の所見により、例外的にレンタル可能となる場合があります。
なお、2024年4月からレンタルできる福祉用具の一部について、購入も選択できるようになりました。

3.要支援2の方が入居できる施設
◾️サービス付き高齢者向け住宅(民間施設)
高齢者向けの賃貸住宅。安否確認や食事の提供などのサービスが受けられます。自由に外出や外泊ができるなど生活の自由度が高いのが特徴です。
◾️住宅型有料老人ホーム(民間施設)
食事の提供や生活支援などのサービスが付いた老人ホーム。
介護が必要となった場合、入居者が地域の介護サービス事業者を自分で選んで利用しながら、施設での生活を継続します。
◾️介護付き有料老人ホーム(混合型)(民間施設)
介護などのサービスが付いた老人ホーム。介護が必要となっても、施設が提供する介護サービスを利用しながら施設での生活を継続できます。
◾️グループホーム(民間施設)
認知症のある方が、スタッフのサポートを受けながら少人数で共同生活を送る施設。
地域密着型サービスのため、基本的に施設と同じ地域に住む人が対象となります。
◾️ケアハウス(公的施設)
所得の低い一人暮らしの高齢者を対象とした福祉施設。自宅での生活が困難な人が、生活支援サービスを受けながら生活できます。
◾️養護老人ホーム(公的施設)
環境上・経済的な事情から居宅でサービスを受けられない高齢者を対象とした福祉施設。入所の判断は行政が行います。

4.要支援2の支給限度額(月額いくらまで使える?)
要支援2の支給限度額は、1ヶ月あたり「10万5310円」です。
介護保険で在宅サービスを利用する場合の支給限度額(区分支給限度額)は、介護度に応じて設定されています。支給限度額内であれば、利用した介護サービスの費用は、利用者の所得に応じて1〜3割の自己負担だけで済ませることができます。
ただし、区分支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超過分は全額自己負担(10割負担)となるため注意が必要です。担当のケアマネジャーとよく相談して、支給限度額内におさまるようにサービスを調整することをおすすめします。
◾️要支援2の方の区分支給限度額
| 区分支給限度額 | 自己負担1割の方 | 自己負担2割の方 | 自己負担3割の方 | |
| 要支援2 | 10万5310円 | 1万531円 | 2万1062円 | 3万1593円 |
(1単位=10円として計算)
5.要支援2で一人暮らしはできる?
要支援2の状態でも、適切なサポートがあれば一人暮らしは可能です。ただし、食事の準備や掃除、買い物など、自分一人では難しい部分をサポートしてもらえる環境を整える必要があります。
必要なサポートを受けるには、介護保険の介護予防サービスを中心に、自治体や民間業者が提供するサービスも上手に組み合わせて利用すると良いでしょう。
例えば、食事の支度が難しい方には「配食サービス」があり、栄養バランスの整った食事を毎日届けてもらえます。配達の際にスタッフと顔を合わせるので、安否を確認してもらえる機会にもなります。
また、必要な時にすぐに助けを求められるように、地域包括支援センターや友だち、近所の人とのつながりも持っておくと安心です。
一人暮らしの支援体制について、具体的なアドバイスやサービスの利用方法については、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターのスタッフに相談しましょう。
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