高齢者施設にはどのような種類があるのかご存じでしょうか?
実は高齢者施設にはさまざまな種類があります。老人ホームや介護施設など、高齢者施設の種類を理解しておくことで、ご本人の状態や希望に合った住まいを選びやすくなります。
この連載では、ケアマネジャーである筆者が、高齢者向けの施設にはどんな種類があるのかわかりやすく解説します。
Q:
高齢の叔母が、自宅にひとりで住むことに不安を感じ、住み替え先を探しています。高齢者向けの施設や住まいには、どのような種類があるのでしょうか?特徴や選ぶ際のポイントを教えてください。
A:
高齢者向けの施設や住まいにはさまざまな種類があります。そのなかから、ご自分に合った住み替え先を選ぶためには、まずはどのような施設があるか情報収集を行うことが大切です。
今回は、高齢者向け施設の種類と選び方のポイントについてご紹介します。
1.高齢者施設の種類一覧
まずは、高齢者向けの施設には、どのような種類があるのか見ていきましょう。
公的施設と民間施設
高齢者向けの施設は、大きく分けて自治体や社会福祉法人などが運営する「公的施設」と、民間企業が運営する「民間施設」の2種類に分けることができます。
【公的施設の種類】
◾️介護保険施設
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
◾️軽費老人ホーム(ケアハウス)
◾️養護老人ホーム
◾️シルバーハウジング(公営住宅)
【民間施設の種類】
◾️介護付き有料老人ホーム
◾️住宅型有料老人ホーム
◾️サービス付き高齢者向け住宅
◾️グループホーム
公的施設は、国の助成や税制の優遇があるため、民間施設よりも費用負担が少なく、運営が安定しているのが特徴です。施設によっては、入居するまでに数年かかる場合があります。
公的施設の中心となるのは、「介護保険施設」とよばれる3種類の施設です。
そのほかに、軽費老人ホーム(ケアハウス)や養護老人ホーム、公営住宅のシルバーハウジングがあります。
一方、民間施設は、利用者のニーズに沿ったさまざまなサービスが受けられるのが特徴です。入居費用は公的施設よりも高額になります。比較的すぐに入居できますが、事業者の経営が悪化した場合は倒産のリスクがあります。提供されるサービスや施設の設置基準は、国の定める法律や基準に基づいています。
民間施設には、24時間体制で手厚い介護が受けられる介護付き有料老人ホームをはじめ、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどがあります。
| 高齢者施設の種類(公的施設と民間施設) | 特徴 | |
| 公的施設 | 特別養護老人ホーム | 24時間体制で介護を提供する。入所までの待機期間は長い傾向。 |
| 介護老人保健施設 | 在宅復帰を目的としたリハビリを行う施設 | |
| 介護医療院 | 医療的ケアが手厚い。長期療養のための医療サービスが受けられる。 | |
| 軽費老人ホーム | 低額で入所できる。介護型と一般型がある。 | |
| 養護老人ホーム | 行政が入所を判断する福祉施設。 | |
| シルバーハウジング(公営住宅) | バリアフリー仕様の高齢者向け公営住宅。生活援助員が生活をサポート | |
| 民間施設 | 介護付き有料老人ホーム | 施設スタッフが介護サービスを提供する。介護専用型と混合型がある |
| 住宅型有料老人ホーム | 食事と生活支援サービスを提供する。イベントやレクリエーションも充実 | |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 高齢者向け賃貸住宅。安否確認や生活相談などの生活支援サービスを提供する。一般型と介護型がある | |
| グループホーム | 認知症の方がスタッフの支援のもと、共同生活を送る施設 | |

2.高齢者向け施設の選び方のポイント
高齢者向け施設を選ぶ際には「入居する方が介護が必要かどうか」をポイントに選ぶとよいでしょう。
介護が必要な方向けの施設は以下の通りです。
【介護が必要な方向けの施設】
◾️介護保険施設
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・介護医療院
◾️特定施設
・介護付き有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅(介護型)
・ケアハウス(介護型)
・養護老人ホーム
◾️グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
介護が必要な方向けの施設は「要介護度が進み、自宅での生活が困難な人」「現在、介護が必要」といった人が対象です。
代表的なものは介護保険施設や介護付き有料老人ホームなどの特定施設、認知症高齢者が対象のグループホームがあります。
介護保険施設では、介護保険による「施設サービス」が受けられます。
また、特定施設とは、都道府県の指定を受けた施設のことです。介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスが提供され、手厚い介護が受けられます。
特定施設には、介護付き有料老人ホームのほか、介護型のサービス付き高齢者向け住宅やケアハウスなどがあり、施設によっては要支援の人も入居可能です。
次に、自立した人向けの施設を紹介します。
【自立した人向けの施設】
・サービス付き高齢者向け住宅
・住宅型有料老人ホーム
・シルバーハウジング
・軽費老人ホーム(一般型)
・養護老人ホーム
自立した人向けの施設は「今は、介護やサポートが必要ない人」「身の回りのことは自分でできる軽度な要介護の人」を対象としています。
受けられるサービスは安否確認や食事、生活相談などです。介護が必要となった時は、一般の住宅と同様に介護保険を利用して介護サービスが受けられるところもあります。
【高齢者向け施設の入居対象】
| 施設の種類 | 利用できる人 | 入居対象 | ||
| 自立 | 要支援 1・2 | 要介護 1〜5 | ||
| 特別養護老人ホーム | 原則65歳以上、要介護3以上の人 | × | × | 要介護3以上 |
| 介護老人保健施設 | 原則65歳以上、要介護1以上の人 | × | × | 〇 |
| 介護医療院 | 原則65歳以上、要介護1以上の人 | × | × | 〇 |
| 介護付き有料老人ホーム(介護専用型) | 入居時に要介護1以上の人 | × | × | 〇 |
| 介護付き有料老人ホーム(混合型) | 自立〜要介護まで幅広い人が利用できる | 〇 | 〇 | 〇 |
| 住宅型有料老人ホーム | 自立〜要介護まで幅広い人が利用できる | 〇 | 〇 | 〇 |
| グループホーム | 認知症の診断を受けている65歳以上、要支援2以上の人 | × | 要支援2以上 | 〇 |
| サービス付き高齢者向け住宅 | 原則60歳以上の人 要介護認定を受けた60歳未満の人 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 軽費老人ホーム (介護型) | 65歳以上、要介護1以上の人 | × | × | 〇 |
| 軽費老人ホーム (一般型) | 60歳以上、一人で生活するには不安を感じる人 | 〇 | 〇 | △ |
| 養護老人ホーム | 65歳以上の人 | 〇 | △ | △ |
| シルバーハウジング | ・60歳以上の高齢者単身 ・夫婦いずれか一方が60歳以上の高 高齢者夫婦 ・60歳以上のみからなる高齢者世帯 障がい者単身世帯 ・障がい者とその配偶者からなる世帯など | 〇 | △ | △ |

3.まとめ
高齢者向けの施設にはさまざまな種類があるため、住み替え先を検討する際には、まずはどのような施設があるのか情報収集を行うことが大切です。
また、施設を選ぶときには、専門的な知識を持つ地域包括支援センターのスタッフや担当のケアマネジャーなどに相談することもできます。専門家のアドバイスを受けながら、納得のいく施設を見つけましょう。
参考:厚生労働省 介護保険制度
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